○エネルギー評価ツールで評価してみようMAR.2011

辻充孝先生
辻充孝先生

 

前出の環境家計簿に続き『住まいのエネルギー評価ツール』というプログラムをつくったのも岐阜県立森林文化アカデミーの辻先生です。

自立循環型住宅研究会の会員なら無料で使わしてくれる太っ腹!・・・実物の辻先生はスマートで男前ですよ^^

 

 

この評価ツールとはどんなものかと言いますと、『自立循環型住宅評価+建築事業主の判断基準(トップランナー基準)÷2』といったものです。

つまり、2つのツールの“イイトコドリ”をしたものなんです。

自立循環型住宅評価(以下自立)は過去ギャラリーを参照下さい。一方こちらはご存知の方も多いと思います、建築事業主の判断基準(以下トップランナー基準)はIBECのホームページにあり誰でも無料で操作可能。

自立とトップランナー基準のそれぞれ良いとこの比較をしますと、逆を言えば短所はそれぞれそれが出来ていないという解釈をして下さい。

 

【自立】

・採光・通風・日射遮蔽等のパッシブ的要素が考慮されている(これが一番デカイ!)

・家電の入力項目あり

【トップランナー基準】

・給湯・エアコン等の設備選択肢が豊富

・LDK、他細かい区分けあり

・Q値区分けが5段階(しかし、最高は1.9W/㎡K以下しかなくそこは大いに不満!)

 

ということで、総合すると自立は『パッシブ要素』、トップランナー基準は『アクティブ要素』が強いということですね。

 

 

貯湯式編
貯湯式編

 

では、いつもの通り我が家を評価しましたのでこれを基に具体的に見て参りましょう。

画想をクリックすると拡大しますのでポチッとやって。。。

各入力項目を完了するとズラッと項目別に出てきます。

まずはエネルギー性能。標準値は2008年、4人家族、次世代省エネ性能(Q2.7W/㎡K)の家との比較です。

設計値が評価値で89.82GJ、標準値と比べ5.74GJしか削減されていないとなっています。

「な~んだQ1.89のくせに大したことねーな」となるでしょう。

この評価で最大のミス?は給湯です。エコキュートではなく、貯湯式の電気温水器を採用しましたので57.16GJと標準値24.70GJの倍以上のエネルギー消費となってしまっているのですね。

あとは太陽光発電で-20GJの貢献が反映されています。

 

ヒーポン編
ヒーポン編

 

で、ちょっと悔しいので?これを仮にエコキュートを採用していればどんな数字になるかと言えば。。。

15.48GJと一気に下がります。そうなると合計48.14GJとなり、今度は逆に標準値の半分くらいになるわけです。

じゃ、「エコキュートに変えろよ」と聞こえてきそうですが、貯湯式にした理由はここでは述べませんが一応ありますので。。。

でも、確かにここでは凄い威力を発揮しますよね。これはエコジョーズならいくら、石油給湯器ならいくらという形で数字が変動するので色々遊べます。

 

経済性能
経済性能

 

次に経済性能。ここではランニングコストとイニシャルコストの考察が出来ます。これは自立のまんまです。

¥66,964と標準値よりも¥170,148もお得というシュミレーションです。

でも、実際は我が家の収支は¥20,000以上のプラスなのでシュミレーション的には少し安全側に出ます。

また、イニシャルに関しては太陽光パネル分が当然のしかかりますね。

 

環境性能
環境性能

 

更には環境性能は排出CO2が出ます。設計値2,667kg標準値4,319kgとなっております。

環境家計簿で出した実際のCO2が2009年1922kgでしたのでここも少し安全側に出ています。

燃料別
燃料別

 

もっと、たくさんの細かい『見える化』があるのですがそこは割愛させていただき、最後に燃料種別エネルギー性能をご紹介します。

もっと、知りたい方はまず自立循環型住宅研究会に入会いただきこのソフトをゲットして下さいm(__)m

 

環境家計簿同様、是非このソフトを入力していただき、設計値と実際値の比較をしながらその安全率を“さっぴいたり”して、お客様に打ち合わせ段階で具体的な提案が可能だと思います。

次世代省エネを越える高性能住宅を今後普及させなくてはならないけど、どうやってお客様を説得するかという大きな大きな壁を乗り越えるためにもこれらソフトを駆使してどれだけお得か、どれだけ環境貢献しているかを『見える化』という情報武装をすることがお施主様の為、環境の為、更に他者との差別化にもなると思いますので是非是非プロの方の実践を切に願います。

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